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美術館というブランド:オランダ国立美術館

  • 貝谷 若菜
  • 2024年1月26日
  • 読了時間: 3分

年末にオランダ発のスキンケアブランドRitualsのギフトカードをもらい、ショップを訪れました。すると目に入ったのが、デルフト・ブルー(17世紀半ばにオランダの都市デルフトで作られた中国の陶磁器を真似た焼き物の陶器にちなんだ濃く鮮やかな青)をイメージした容器です。このコレクションはAmsterdam Collectionというもので、香りはオランダのチューリップと日本の柚子です。


そして、驚くべきはこのコレクションがアムステルダム国立美術館 (Rijks Museum)とのコラボレーションによるものだということです。これは容器にも大きく記されていて、ウェブサイトにはPR動画も掲載されています。



Amsterdam Collection


容器に記されたコラボレーション


Ritualsは日本やインドをはじめとするアジア地域の風習や自然、思想にインスピレーションを受けたブランドであり、コンセプトは身体、心、魂のバランスを見つけるための羅針盤「Art of Soulful Living」です。コレクションには、日本の「桜(Sakura)」や中国を意識した「静(JIN)」、インドの「アーユルヴェーダ」などがあります。このブランドは手頃な価格からオランダ土産としても人気です。


Rituals Sakura Collection 


Rituals Ayurveda Collection


Rituals Jin Collection


オランダの美術館のブランド力には毎度驚かされますが、それ以上に、オランダの歴史の観点から日本の美術やしきたりを自国のプロモーションに取り入れるのがうまいですね。

そんな Rijks Museumはどのような企業とパートナーシップを提携し、双方のブランド向上に役立てているのかに着目します。


パートナーの一覧


パートナーの傾向に着目すると、

・artbnbやKLM航空、HEINEKENなど観光産業もしくは観光産業に力を入れた企業(HEINEKENはビールブランドですがビール製造体験施設などを展開

・Akzonobel やBacker McKenzieといった超大手企業による資金面でのコレクション支援

・フランスの世界的広告代理店であるJCDecauxとのコラボレーションによるヨーロッパ各地での街頭広告での宣伝

・Bloombergによるテクノロジーの側面での支援

・陶器のカップ/プレート・ブランドであるJACOBS DOUWE EGBERTSとのコラボレーションによる館内カフェとレストランの食器やカフェの改装支援

・輸送機器分野の複合企業Pon Holdings による、作品の購入や修復、輸送、巡回バスなどモビリティ支援



これらに加えて、あらゆるレベルの教育機関とのコラボレーションで、教育面での影響力も獲得しています。


このようにパートナー企業をみてみると美術館の運営にとって、資金面だけでなく意図的なパートナーシップがどれほど重要であるかがわかるのではないでしょうか。


パートナーとして相応しく利害関係とコレクションへの熱量が一致する企業を探し、コラボレーションをするためにオランダの美術館には、パートナー担当者/部門、ライセンス担当者/部門、セールス担当者/部門があるのです。



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